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質問<3706>2008/4/13 from=シン 「三角比・三角関数」

 『y=asinx+bcosxは、x=30°で最大値をとり、また、最小値は−5である。
a,bの値を求めよ』
初めまして。この問題なんですが、全く見当がつきません。教えて下さい。




基本的には微積の範囲の問題。最大値/最小値と言うキーワードがあればまずは微積を考えてみるのが常套手段。

問題を次のように読み替えてみる。


で極値を取る。の値を求めよ。
ただしで、共に定数とする。

問題の式を微分すると次の式が得られる。





関数が極値を取るのはの時が条件。
従って、次の連立方程式が題意を満たす。





これを行列を用いて書き換えると次のようになる。





クラメールの公式を用いてに付いて解くと、






が得られる。
従って式





となり、加法定理を用いると、





と整理出来る。何の事は無い、これは普通の三角関数である。
分かりづらければ





として考えれば良い。である以上、である。
今、なので、





となり、の範囲ではの時、つまりの時となり、これが最大値である。
では上のがいつ最小値、つまり−1になるのか、と言うとこれは当然の範囲ではの時、すなわちの時である。
従って、問題の条件より、










であり、故に、






となる。






実は描画ソフトで描画してみれば一発で分かるが、問題の数式yは単なる三角関数である事が視覚的にも確認できる。周期的に最大値と最小値の間を行ったり来たりするだけだ。
数学的にはあまり面白くは無いが、物理学で習う単振動は原則的に問題のような同位相・同周期の正弦関数と余弦関数の和(線形結合と呼ぶ)で与えられ、また、これはある種の微分方程式の解、として求まる。

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