高校数学の窓過去問検索

玉川問題に付いて~その1

<大分・教員採用汚職>教員採用「カネとコネ」とうわさ絶えず 暗部に踏み込む

どこもかしこも大変ですね。はあ。
と言うか、教員免許取得者側から言うと教員採用試験の不正は許せない、って話になるんでしょうが、じゃあ教員免許既得者の行動はどうなんだ、って話もあるんで、部外者的にはどっちもどっちだろ、とか思います。
いずれにせよ、「教員免許取得者同士」で話が収まるならどーでもイイ、って言えばどーでもイイんですが、そうは問屋が卸さない。問題は教育現場には常に生徒がいる、って事なんですよね。大人の様々なエゴで迷惑を被るのは常に生徒の側、なのです。

では、<質問3731>で約束したとおり、事の経緯を説明したい、と思います。

実はちょっと悩んでたんですよね。
と言うのも、経緯を説明するにあたって、HNではありますが、ある特定人物陣の「特徴ある行動」を記述/指摘せねばならないから、です。これはネット上にあるまじき個人攻撃になるのではないか?と少々考え込んでいたんです。
しかしながら、どの道結果は同じだろ、と言う結論に到達せざるを得なかった。と言うのも、僕がやってきた軌跡は正直な話、別に特殊な事ではなく、「まずは検索ありき」と言う「誰でも出来る事」に立脚しています。
ぶっちゃけた話、武田先生に高校数学の窓のトップページにGoogle検索ボックスを付けてくれ、とお願いしたのは亀田です。そして、もっと正直な事を言うと、「質問投稿者がFAQを探しやすくする利便性の為」じゃないんです。武田先生には説明しましたが、どっちかと言うと「回答投稿者側の為」、なんですね。「検索ボックスを付けて検索してもらえば投稿された過去問の傾向が確かに異常なのが分かるのでは無いか」、大方僕と同じ結論に到達する回答者がいるんじゃないか、と期待したんです。
そして、それは高校数学の窓の名誉を守る為、それと回答しているボランティア陣の「善意を」守る武器になるだろう、と思ったのです。
結果、ここから亀田が書く事に付いて「追試」は誰にでも可能だ、と言う事です。結局データがオープンである以上、亀田が隠そうが隠さまいが、「なるほどな」と言う事になってしまうでしょう。そう言う事ですし、また、ネットでは「匿名性」でどんな行動でも取れる、と勘違いしている人が多いですが、結局「ある人物の行動」なんてのは本人が意図しようがしまいが「ログとして残ってしまうのだ」と言う事、です。「匿名だから無責任に行動して良い」事には結果ならない、と言う好例にもなるでしょう。ネット上だからと言って、そうそう「世の中甘くない」のです。


余談ですが、不思議な事にGoogle検索ボックスを取り付けている数学系サイトは殆どありません。亀田が知ってる限り、高校数学の窓は、数学の部屋青空学園数学科数学問題集「考える葦」数学ナビゲーター、に次ぐ「5番目の」Google検索ボックス導入サイト、です。メジャーどころの数学系サイトは20以上ある筈なんですが、それでこの普及率の低さは異常です。
大学系サイトでは大体Google検索ボックス導入例が多いトコロを見ると、いわゆる高校教育関係者や塾関係者が立ち上げた数学系サイトでは横の繋がりが薄いのか、「無料便利ツール」、いわゆるASP(Application Service Provider)に関する情報の伝播がかなり遅いのが想像出来ます。
ここで改めて紹介しておきますが、基本、どんなWebサイトだろうとGoogle検索ボックスの導入は簡単です。コードをコピーして、HTMLの適当な場所に貼り付け、自分のWebページのアドレスを指定するだけでオーケーです。しかも無料で使えます。
これを行う事によって、米Googleのデータセンターに設置されたサーバーに記録された「自分のWebページのインデックス情報」から即座に個人Webサイト内の検索結果を返してくれる、のです。
このブログ自体、サービスはGoogle提供で、ブログパーツとして検索ボックスが存在し、要するに「リンク先サイト」に対して上記のような事が出来る、に過ぎません。かつ、実際のトコロ、検索対象は「武田先生のサーバー」自体じゃなくって、米Googleのデータセンター、なのです。

ちなみに、これを行うには、ページ情報をコピーしてデータセンターのサーバーに保存しなきゃならない、って事になります。すなわち、著作権的にはどうなるんだ?と言う事なんですね。
平たく言うと、日本の法律では違法です。だからこそ、検索エンジンのその殆どがアメリカのサービス、なんです。アメリカの著作権法は日本のモノと違い、Yahoo!Japanだろうと何だろうとその実情は殆ど同じで、「検索」した時点で実はアメリカに飛んでいます。

今回の事例ではこの「Googleサイト内検索」が大活躍してくれました。と言うかGoogleが無ければそもそも発覚しなかったかもしれません。


ところで、実は亀田は一つだけ嘘を吐いていました。
以前、<質問3718>で以下のように書いた事があります。


最近気づいたんですけど、某通信教育制大学のレポート課題が高校数学の窓に多数投稿されているんですね。


最近、ってのが嘘だったんですね、実は。具体的に「こりゃ幾ら何でもおかしいぞ」と気づいたのは昨年の7月頃、です(今、日付とか見てみたらそれくらいですね)。もう1年くらいになるんですね。
それ以前に実は亀田は、今考えてみれば「大チョンボ」してたんですが、ハッキリ「おかしい」と感づいたのは大体一年前、です。それから「怪しい問題/投稿者の傾向」を調べる為に暇を見ては地道に高校数学の窓の過去問の検索/調査してました。従って、<質問3718>で書いた時点では「思いつき」とか「ちょっと疑わしい」からああ言ったのではなくって、実はもう「かなりの裏づけ調査が終わってた」ってのがホントのトコ、です。まあ、あの時点では「牽制」の意味でああ書いたんですが、思ったより事がデカくなっちゃった。
つまり、玉川大学訪問にせよ、「もはや状況証拠的には確実だ」と言う判断があった、からやったのです。そして、事実、玉川大学通信教育部側にも「確認してもらって」その通りだった、と言う事ですね。
では、以降、経緯を説明します。なお、敬称は省略します。

ヒントは3つ、です。


  1. みのる、と言う質問投稿者の存在。


    まず、最初に「おかしい」と思ったのは「みのる」と名乗る非常に奇異な質問投稿者の存在でした。
    以下に彼が投稿した質問を列挙してみます。

    時系列で並べましたが、Googleサイト内検索で引っかかる限り、「みのる」の登場は2006年7月25日の投稿から、です。最初のウチは「普通の投稿」に見えるんですが、実は既に最初の投稿、質問<3319>でその奇異さを発揮しています。
    まず、彼の投稿の特徴なんですが、質問<3319>を見ても分かるとおり、

    全くわかりません。ご指導を。

    と言うフレーズを多用します。実はこれは見ていけば分かるんですが、本当に文字通り「全く分かっていない」のです。
    これに対しての初の数学的なレスは、ご存知高校数学の窓の重鎮、UnderBird氏です。そして、同時にコンピュータプログラミングに詳しいJJon.com氏が「過去に同じ問題がある」と指摘しています。まずこの段階で、この「みのる」と言う人間の傾向として「過去問を全く調べていない」と言う事が分かるワケです。
    そして、これに関してまた「みのる」のレスが投稿されます。これも非常に特徴的、なんですよね。

    質問3319(3)を教えて下さい。

    これはこの質問投稿者の際立った特徴です。とにかく「何でもかんでも」「教えてください」一本槍、なんです。これは彼の全投稿に渡っての「特徴」なんですね。少なくともGoogle検索で見る限り、初回の投稿からこの特徴を遺憾なく発揮しています。
    これに対して再び我らがUnderBird氏がレスを付けます。しかしながらまた再度、

    (2)について、よくわかりません。ご指導を。

    です。
    言えるのは「結局何も分かってない」んです。非常に不可思議な登場の仕方だったんですね。この人間は一体何を教わっているのか???
    これは、恐らく回答投稿者全員共通に思ってる筈なんですが、「分かりません」じゃどう答えて良いか分からん、のです。戸惑ってるのは質問者の方だけじゃなくって回答者の方も、なんですよ。「どこが分からんか分からないのが」一番困るワケです。まあ、そのテの話は数学で質問する際の「最低限のマナー」なんですが、この「みのる」はまるでそう言うマナーが分かってない。まあ、印象的な高校数学の窓でのデビューでした(良く覚えています)。
    で、パターン的には質問<3320>だろうと質問<3321>だろうと丸で同じ傾向なワケです。たった3回くらいで「傾向」が分かったんで、どっちかと言うと辟易対象な質問投稿者だった、と記憶しています。事実、亀田は初期の段階では全く関わっていません(メンド臭そうでイヤだったから・笑)。
    それで、次に奇異なのが、「過去の終了した質問」に関して追加質問を送ってきた。いや、それ自体は別に責められる事じゃあないんですが、質問の仕方が丸っきり同じなんですね。

    • (1)(2)共途中経過も教えて下さい。

    • もっと詳しく教えて下さい。

    • もっと詳しく教えて下さい。


    だけ、です(苦笑)。回答投稿者側から言わせると「何じゃそりゃ???」です。一体何が知りたいんだ?と。大体コッチはあくまで「ボランティア」でやってるんだから、「足りない部分は自分で何とかする」のが当たり前、なんです。
    それで、彼の「質問」がまた投稿されるワケですが、正直、亀田の記憶だと「暫くほっとかれてた」と記憶しています。ワリに「回答投稿者陣に対して失礼極まりない」印象だったのではないか、と。
    ここで彼は失策するんですね。確か、武田先生に個人的にメールを送って(どんな内容かは知りませんが)、そしてそれに対しての武田先生のレスが高校数学の窓のトップでmarqueeで表示されたんです。文面は正確には覚えていませんが、武田先生から「年取ってから数学の自習をする、と言うのは大変なのは分かります。がんばって下さい」的な文意だったと記憶してるんですが・・・・・・。
    これでコッチの心情が和らいだのか、と言うとむしろ逆効果だったと思います。正直言うと、亀田的には「何寝言言ってんだ???」とか思った(笑)。結局、他の投稿者からも遅いレスしか付かなかったトコロを見ると、多かれ少なかれ「似たような事」感じたんじゃねえのかな、とか思っていました。
    と言うのも、質問の「教えてください」攻撃に対する辟易は「自習してる/してない」と言う事柄とはまるで関係無い話です。「質問マナーの」問題ですしね。かつ、あのmarqueeで提示された内容は、「単に同情を煽ろうとしてるだけ」にしか思えなかった。まあ、他の回答投稿者が実際どう思ったのかは知りませんが、少なくとも亀田はそう感じました。それと「自習するなら自習するなりのやり方があるだろ」って事です。何でわざわざ「解けない」と大騒ぎするような難問ばっかやってるのか、と。それでいずれ解けるようになるのか、と。
    また「年取って」的な事書かれてて「どんなジジイ(失礼)なんだ!?」、とかも思いましたね。いや、これは「正直亀田はそう感じた」ってだけで別に悪意があって「ワザと悪く」書いてるワケではないのです。単に年齢重ねて「学習が難しくなる」んだったら、それはそれで「スローペースで」学べば良いだけ、の話、です。数学を趣味でやってる、んだったらなおさらです。別に誰も強制しているワケじゃあないんですから。(そして、結論から言うとその仮定と実像は全然違った、って事なんですが。)
    結局、やってる事を照らし合わせてみると「単にチグハグ」にしか思えなかった、と言う事です。
    まあ、多少の同情が働きはしたんですが、要するに亀田が動いたのはこの後から、なんです。そして、実際関わってみると、やっぱり

    1. みのると言う投稿者は中学校の数学さえ全然分かっていない。

    2. みのると言う投稿者は(使用してるのが何であれ)テキストを全然読んでいない。

    3. それどころか、みのるの言う投稿者は勉強の仕方そのものが分かっていない。

    4. しかしながら投稿してくる問題は多岐に渡る(プログラミングの質問まで投稿してくる!!)。


    の4点が異常だ、と思った。
    例えば、質問<3568>なんてのは典型例で、こんなのわざわざ投稿しなくっても線形代数の入門者用教科書だったらフツーに解説が書かれてある事柄です。つまり、みのると言うのは「教科書も読まずに問題やってんのか?」と。まあ、フツーに考えればそうですね。「やっちゃいけない事をやっている」。
    あるいは、質問<3570>なんてのもそうですよね。こんなの「単なる計算問題」です。つまり、普通に考えると「教科書見ながら解けば簡単に解ける」問題でしょう。わざわざ質問するようなレベルじゃないです。亀田は圧倒的にMaximaでしか対応しなかったんですが、これにもキチンと理由があって、と言うのも、数学の計算問題はある種特徴があり、「先に解答さえ分かれば」逆算して元の問題に辿り着けるから、なんです。まあ、こんなの解説しなきゃならんとしたら、マジメな話ホント情けないレベルなんですが、こんなの受験勉強の経験があれば常識です。解けない問題は解答を先にみちゃって、それから逆算して問題に辿り着く。例えば微分だったら積分がありますし、積分だったら微分がある。つまり、言い換えると「みのる」は単に「勉強の仕方さえ」分かってない、と言う事です。
    これはおかしい。まあ、「それなりのレベルの難問も送ってくるし」と同時に「中学校レベルの問題(例えば質問<3664>)」まで送ってきて、かつコンピュータプログラム(数値計算)の範囲の質問まで送ってくる。要するに総体的に見ると「まるでデタラメ」「単なる無軌道」なんです。仮に独学しているとしても、一体どこの誰が「こんな勉強しなさい」って示唆したんだ?あるいは「問題の解法も書いてないような」酷い教科書を勧められて使っているのか?
    亀田の興味は、この「みのる」と言う投稿者の使用している「テキスト」になりました。「一体どんなデタラメな教科書を使ってればこう言う"丸投げ体質"になるんだ?」と。「解法が書いてない」教科書なんてあり得ないワケですが、好意的に解釈したら、そう言う「デタラメな教科書が存在する」としか思えなかった。
    これが一つ目のヒント、でした。


  2. 高校数学の窓に投稿されているプログラムの質問が偏り過ぎている。



    ぶっちゃけた話、亀田はプログラミング初心者に毛の生えた程度、です。
    これはマジな話で、大体プログラミングの勉強を本格的に始めたのは高校数学の窓に関わってから後、なんです。そもそも高校数学の窓に関わった頃は「ソースコードなんて読みたくもない」と思う「至極フツーの」人間だったワケですね。
    んで、曲がりなりにもプログラミング勉強しはじめたワケなんですけれども、なかなか思ったような練習問題が見つからない。そんな時、

    「あ、そうか。高校数学の窓だったらプログラムの項目あるから、バラエティに富んだ質問があるだろうな。片っ端から練習代わりに解いていってやれ。」

    と思いついた。「バラエティに富んで」………。ところがこの期待は裏切られるワケですよ(笑)。
    論より証拠、実際高校数学の窓で分類分けされているプログラムの項目を見てください。特に質問<3557>以前なんですが、30問程ある過去問のかなりの割合が「全く同じ問題」あるいは「同形式の問題」で占められています。
    具体的には、

    ですね。約30問の中で5問、ってのは結構な比率です。16%以上の比率となります。
    元々プログラムは投稿数が少ないんですが、だからこそ「異常度」が際立って高い、と言う事が分かるんじゃないかな、と思います。問題が「埋もれてない」。
    まあ、結論から言うと、今挙げた5題以外にも「怪しい」問題はあるんですが、それはさておき、亀田が一番最初異常に気づいた「おかしさ」がこの5題に端的に表れているんで、まずはこれらを俎上にしましょう。
    まず、問題の特徴ですが、記述されたプログラム自体が「殆ど全く同じだ」と言う事に気づくでしょう。また、質問の意図が良く分からない。
    と言うのも、質問文列挙しますが、

    • 次のプログラムはなにをするものか

    • 以下のプログラムが何を意図してるか

    • どうもpascalができなくわかりません。

    • 次のプログラムの意味を教えてください。

    • 次のプログラムは何をするものか説明せよ。


    とか書かれています。平たく言うと問題になってないんです。
    どう言う事か、と言うと、要するにプログラムなんてのは「走らせてみれば結果は分かる」って事です。紙面に書かれたコードを見てウンウン唸ったトコで分かるはずが無いのです。
    つまり、逆に言うと、これらの投稿者は手元でプログラムを一回も走らせてないだろう、って事なんです。問題になってない、ってのはこう言う事なんですね。
    もっと重大な問題を指摘しておくと、これらのプログラムはPascalと言う言語で書かれているんですが、要するにPascalなんて死んだ言語で書いた問題なんてどっから持ってきたんだ?と言う事なんです。これが極めて異常、なんですね。
    「特定のプログラミング言語の悪口を書くべきじゃない。」と言う良識はごもっとも、ですが、亀田が言ってるのは単に事実なんです。ことさらPascalを貶めようとしているワケじゃあありません。
    第一に、「プログラミング教育用言語」としてPascalが流行ったのは、1990年代の前半、までです。10年以上前の話、なんですね。Pascal自体の記述形式がもはや「古すぎて」(例えば引数に入出力を取る、等)、現代的な観点では、他の言語に移る際に難点があり過ぎます。つまり「教育用」としては現時点適さない。
    第二に、もはやオリジナルのPascalの開発者は「別の言語を作っちゃって」Pascal自体にさほど興味が無いようです(Modula-2、と言う言語です)。
    第三に、歴史的経緯を見ると、Pascalが特にもて囃されたのはAppleの初期のMacintoshと言うパソコン上で、文化圏的にはそれはWindowsのモノじゃあありません。
    そして、一番の問題点は、Pascalの商用コンパイラが既に存在してない、って事なんです。あるいは入手が極めて難しいか。要するにコンパイラが簡単に手に入らない以上、単純に考えると上記のコードはコンパイルが出来ない、って事です。当然手元で走らせられないんで、結果「分からない」ってのは当然なんですね。
    Pascalが死んでる、と言うのは、数学の常識ではありませんが、コンピュータ・プログラムをちょっとでも齧った人間には常識です。回りのプログラムに詳しい人に訊いて確認してみてください。亀田が嘘を言ってない、って事が分かるでしょう。
    あるいは、反応としては

    Delphiと言う言語があって……。」

    と言う薀蓄を垂れられるかもしれません。しかし残念ながらDelphiDelphiであってPascalではないんです。Delphiは既にPascalとは独立した「Delphiと言う」言語です。
    歴史的経緯で言うと、確かにDelphi自体は元々はObject Pascalと言う「Pascalを拡張した」言語だったのは事実です(この「拡張」がクセ者なんですが)。
    Delphiを販売しているのはCode Gearと言うメーカーなんですが、要するにここのメーカーがObject Pascalをこれまた独自に拡張し過ぎて、米国規格協会(ANSI)や国際標準化機構(ISO)で制定された「標準Pascal」との互換性が取りづらくなって来たワケです。従って、「もはや独自の言語とした方が良い」と言う判断になったんでしょう。Delphi自体の知名度もありますし、それで充分にやっていけるようになっちゃった。
    ただし、それはCode Gearと言うメーカー観点の話であって、「プログラミングを教える立場」から言うとはなはだ困った事、となります。少なくとも、DelphiがPascal言語である事を「止めた」のは2002年の時点で、そうなると、マトモな感覚だったら、公式に「PascalコンパイラとしてDelphiを指定する」のは極めて難しいのです。じゃなかったら、初めっから「Pascalのプログラムでなく」「Delphiのプログラム」として指定する筈なんです。良識的には、ですね。そうじゃなかったらマトモなプログラミング教育にならない、って事なんです。
    例えて言うと、次のような事です。例えば、高校数学の教育現場でいくら何でも「旧課程の方がマシだから」と言って、例えば現数II・Bの教科書の代わりに「基礎解析」とか「代数幾何」の教科書(しかも10年以上も前の古本)なんて使わないでしょ?って事なんです。これは危険でリスクがあり過ぎます。大体、今現在の大学入試とのコンパティビリティはどうなるんだ、と言う話が出てくるでしょう。マトモな教育、ってのはおかしな選定をしない、って事なんです。これこそ当たり前の常識ですよね。
    ところが、DelphiDelphiになった年から2007年(!)まで「Pascalの問題」が投稿され続けます。「異常だ」と言った意味がお分かりになるでしょうか?
    まあ、確かに、投稿された問題を見る限り、この程度のコードだったらDelphiでも動くかもしれません(あまりにも馬鹿馬鹿しいんで亀田の方では確かめていませんが)。しかし、「取りあえず動く」と言うのと「正式なコンパイラとして何を指定すべきか?」と言うのは丸っきり別問題で、もし「取りあえず動く」からDelphiでまあいいだろう、なんて判断を行ったとしたら、出題者としては明らかに失格、なんです。普通のプログラミング教育の指導者として欠陥があるだろう、と言わざるを得ない。

    んで、実の事を言うと、フリーのPascalコンパイラ、なんてのはあるこたああるんです。はい。
    例えば有名なモノに

    GNU Pascal

    なんてのがあります。
    しかし、これを「プログラミングを始めたばかりの」人間が検索で見つけるのは至難の業でしょう。

    註:かつ、見つけたにせよ、どーにもならないでしょう。と言うのも「ソースからビルド」しないと動きませんし、「ソースからビルド」の意味が分かっている人は既に・・・・・・と言う事、です。

    大体、これを見つけられる人間なんてのは、

    1. GNUと言うのが何なのか、既に良く分かっている。

    2. GNUを知ってる、って事は従って既にコンピュータの知識がある。

    3. コンピュータの知識がある、って事は、高校数学の窓に上記のような「実行してみればすぐ結果が分かる」ようなアホな質問を投稿するワケが無い。


    と言う3段論法により、ある程度の「コンピュータのスペシャリストだ」って事になっちゃうんです。

    もうお分かりでしょう。次の二点が肝要なのです。

    1. 21世紀に入った現在、Pascalの問題、なんてのはコンピュータ専門学校だろうと大学だろうと色々な意味で極めて出しづらい問題である。

    2. あるいは何かの意図があってPascalの問題を出す以上、コンパイラの入手先の情報を添付するのは出題者側の義務である。


    1番の事はもうお分かりでしょう。まずコンピュータ専門学校だろうと大学だろうと、Pascalの問題なんて出しません。と言うより出せないんです。そして、単純に言うと、5問あるんで問題の出題先が5箇所もあるのか?と(笑)。こんなマヌケな問題を出すトコは日本で1ヶ所もあれば充分なんです(笑)。っつーかそれ以上あったら困ります(笑)。
    2番目は当然でしょう。「何らかの意図があって」「極めて実行が難しい」Pascalの問題を出すんだったら、「コンパイラの入手先」は学生側に教えておくべきであって、また、教えた以上「実行すれば分かる事」を投稿してくる筈がない。
    となると、一番考えたくなかった「限りなく低い」可能性に次の事があったんですね。

    出題としてPascalを出してはいるが、一方コンパイラの所在は学生に教えていない

    「んなバカな!!!」と思ったんですが、いや、これしか可能性が残っていないのです。
    この日本のどっかに上記のような「ムチャクチャ」をやってる学校が、専門学校/大学を問わず少なくとも一校存在すると言うとんでもない可能性が。
    これが二つ目のヒント、でした。



  3. あまりにも全く同じ問題文の問題投稿が多すぎる。



    これも高校数学の窓の過去問を見る限り、歴史的な特徴、です。
    まあ、狙って検索しようがしまいがある程度の重複問題はある、ってのは知っていましたが、Googleサイト検索に切り替えてみると異常、です。ピックアップされる重複問題数が半端じゃない。
    問題は、回答投稿者側の不手際じゃない、って事なんですね。と言うのも、高校数学の窓は正直「検索機能が不備」だった事もあり、FAQを探る質問投稿者だろうが回答投稿者だろうが、「過去問検索」には難儀する、ってのは事実だったんです。
    結局回答投稿者側が「過去問見てください」と指摘するにせよ限界があります。と言うのも、高校数学の窓は10年の歴史があるんですが、当然「回答者は代替わりする」って事です。常時巡回期に「同じ問題が投稿されてれば」指摘も可能ですが、そうじゃなかったら指摘は困難になる。唯一の例外は検索駆使しまくってたJJon.com氏くらいで、まあ、回答投稿者側も基本的に「過去問検索」なんてしない。

    ちなみに、色々見てると、JJon.com氏はおっそろしくアタマのイイ人だ、と言う事が分かります。何せ、一番労力がかからない「数学の回答法」は、自分で解かずに「検索結果」だけで類題提示する、って方法論だから、です。これはUNIX系OSを使いこなしててかつその思想を理解していないと「出来ません」。UNIX系プログラマの発想で「同じ問題を二度解くのは嫌だ」と言う名言があって、JJon.com氏はそう言うソフトウェア工学上の「思想」を実践していた、と言えるのです。

    その為、結果、「全く同じ問題の投稿が長い期間に於いて複数回に渡って行われている」と言う事実に気づきようが無かった、と言う技術的なトラブルが生じてたのです。しかも高校数学の窓は旧Yahoo!的なディレクトリ型の分類を行っている為、「分類分け」は基本問題投稿者に委ねられていますし、そうなると「正しく分類されている」かどうか保証が無い。結果、あるカテゴリ内で過去問探しても「存在しない」事は充分考えられるわけで、結局別カテゴリを探すようなメンド臭い事は行わない、となっちゃうのです。

    さて、典型的な例は次の通りです。


    これ見たら分かりますが、初出が2004年の9月19日、以降、ほぼ五年間で9回の投稿です。つまり、1年でほぼ2回投稿されている、と言う(笑)。何じゃコリャ?ですよね(笑)。
    日本の大学の数、ってのはとある統計によると700以上あるそうなんですが、果たしてこの問題が700以上ある大学の全ての学生に悩まれて「年間2回も浮上してくるような」有名な問題なのか、と(笑)。しかも投稿対象サイトは「高校数学の」窓ですし。どう考えてもおかしい、のです。
    つまり、こう言う異常現象は、「たまたまそうなった」と考えるよりは、「問題の出所が」教科書であろうと学校であろうと、「同じだ」と考える方が自然、です。700以上ある日本の全ての大学を対象として、「過去問検索せずに」同問題を「たまたま」どこぞのボンクラ学生が年間二回の割合で「高校数学の」窓に投稿する、って考えるのは「あり得る」のですが、どっちがより自然な「仮定なのか」って事ですね(こう言う思考法をオッカムの剃刀、等と言うようですが)。
    大体、700以上ある日本の大学で、「使用テキストが全て同じ」な筈はないのです。従って、ここまで「問題文が一致してる」ってのはヘンでしょう。あり得ない×あり得ない=ますますあり得ない、です。
    そうなんです。「出題した学校が全く同じである」って仮定した方が遥に自然、なんですね。
    これが三つ目のヒント、でした。


ヒントは3つ、答えは1つ。じゃあその答えは?


「不可能なことがらを消去していくと、よしんばいかにあり得そうになくても、残ったものこそが真実である、とそう仮定するところから推理は出発します」
工藤新一
シャーロック・ホームズ




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