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質問<3584>2007/7/31from=ゆいゆい「指数・対数の問題」

<3580>の質問の中で,のとりうる値についての質問でしたが、
もし、ではなく、の値のときだと、どのようになりますか。
類似問題かもしれませんが,教えてください。




類似問題どころじゃないでしょう(苦笑)。<3580>の解法が絶対、と言う気は全くありませんが、あれに従う限り全く同じ問題だ、と言って過言じゃないです。こーゆーのを二度手間と呼ぶんですよ(苦笑)。
大体僕は自分が書いた内容に関してすぐ忘れる、と言う非常に優秀な特性を持ってますんで(笑)、


『何書いたっけ?』

って調べざるを得ません(苦笑)。全く困ったモンです。
とは言っても、見た限り、可能性は2つしかないです。


  1. 実は教科書の問題はで記述されていたのに、<3580>で数式表示に難があった為、と解釈されてしまった。

  2. <3580>の方法論だと微分積分絡みになりそうだが、実はゆいゆいさん≦高校2年生(ないしは文系)なので微分積分に関しての知識が不充分である。

のどっちかでしょう。
1.だったらどの道同じ事なんですが・・・・・ただし、2.だとなるほどな、とも思います。<3580>だと三角関数の基本知識さえあれば大体予想できる範囲なんですが、ちょっとフォームが変われば不安を覚えるのは分かる気がします。
<3580>の解法に従う限り、として




と表記できます。問題は、三角関数習いたてだと、の振る舞いがちょっと想像付かないだろうな、と言う事です。確かにパッと見、高校2年生辺りに


の最小値を求めよ

と訊いたら、一般的には難問と解釈されるでしょうね。
ちなみに、今、僕の彼女に確認してみたんですが、やっぱり解けませんでした(笑)。僕の彼女は大学院生なんですが、あいにくバリバリの文系(英語専門)で、やっぱり分からないんですね。くやしがってましたが(笑)。
うん、なるほど。こりゃしょーがない。
一つは、


微分積分の知識が不十分だったらそのテの問題に手を出さない

と言うのも解決策だとは思いますよ(笑)。何でもかんでも解けばイイ、ってもんじゃないです。ハッキリ言っておきますが、数学の問題の1問や2問が解けなくっても別に死ぬワケじゃないです。数学の難問にてこずって時間を浪費するヒマがあったら、お洒落してデートでもしたほうがマシでしょう(笑)。そっちの方がよっぽど有意義な時間の使い方です。
大体、男性の場合、数学の問題が解ければ解けるようになるほど女性にモテなくなる、と言うあまり嬉しく無い現象が見られます。女性の場合は数学の問題が解ければ解けるようになるほど婚期が遅くなるようです(亀田調べ)。あまり難しい問題を解けるようになってもロクな事になんないんですよ(笑)。少子化問題はどーすんですか。ハッキリ言いますが、数学は少子化問題を加速します(笑)。
そして貴方が数学の難問に時間潰している間にアフリカでは多くの子供が飢餓で苦しんでいるのです。黒柳徹子に何て言い訳するんですか(笑)。数学の難問に時間かけてる暇があったら社会貢献を考えましょう(笑)。
とか与太でページを潰しましたが(笑)、要するに、三角関数の微分法に付いてここで1から解説すんのは本意ではない、と言う事です。このテの基礎はしかるべき場所でしかるべき人に習うか、しかるべき本を購入して勉強するべきです・・・・・・が、概要だけ知りたい、と言うのならイイ方法があります。要するにコンピュータで解いちゃう、ってのが実戦的でしょう。僕自身はコンピュータに解かせて


『何でこうなるんだろ?』

と考えるのも勉強のうち、だと考えています。アンチョコも使いようなのです。

いつもどおり、フリーの数式処理ソフトウェアMaxima(Windows版)を利用してやっていってみます。
余談ですが、僕はかなり前から高校数学の窓でMaximaを紹介していたんですが、どうしてもマイナーなソフト、って印象が拭いきれなかったんですね。しかし、これからはかなり印象が変わっていくと思います。たけしのコマネチ大学数学科と言う深夜番組で数学を解説している科学ライターの竹内薫氏講談社ブルーバックスからMaximaの入門書を最近出版いたしました(リンクは最後に貼っておきます)。なかなかMaximaのような学術系のソフトは敷居が高い印象があって、あまり普及しないのですが(自分では普及活動しているつもりでも実は逆に敷居を高くしているのはユーモア感覚が欠如している大学の先生が日本に多いから、ですがね。大学の先生は一般に語りかける器量、ってのが欠けています。)、科学を一般向けに分かりやすく啓蒙している竹内薫氏みたいなお方がテコ入れしてくれたんで状況は一変するんじゃないか、と楽観的に考えています。講談社ブルーバックスなら1,000円程度の新書なんで、高校生でもお小遣いで十二分に買える値段だと思いますしね(または親にねだって買ってもらいなさい・笑)。これからは高校生からMaximaが必需品になればいいな、とか思っています。そして、逆に言うと中学生~高校生にでも使えるくらいのソフトじゃないと一般普及は難しいでしょう。


  1. Maximaで描画してみる。


    さて、Maximaのダウンロード/インストールが完了したら、デスクトップ上にアイコンが出来てるハズなので、それをダブルクリックしてMaximaを起動して下さい。




    では、まずと言う関数がどう言うグラフなのか、描画してみましょう。Maximaで描画するには上方にあるPlotting(描画)と言うプルダウンメニューを選びます。


    Plot 2dと言うのは平面での描画、Plot 3dってのは立体での描画を行います。ここでは平面の描画であるPlot2dを選びます。


    そうすると上のようなPlot 2Dと言うポップアップが出てきます。
    ここでは以下の例のように入力していきます。


    別にxでも構わないんですが、一応ここではxをtheta(の事)と変更しています。Expression(数式)には

    cos(theta)+2*sin(theta)

    と入力します。ちなみにアスタリスク(*)は(かける)の意味です。
    また、ここではvariable:(描画範囲)はthetaもyも-5以上5以下としています。描画範囲の設定に関しては別に根拠はありません。お好きに設定して頂いて結構です。
    そしてそのまま[OK]ボタンを押します。


    はい。グラフが出てきましたね。しっかしクソつまらんグラフですね(笑)。これじゃあ正弦/余弦関数のグラフと大して変わりません。もっとスゴイの出てくれば面白いんですがねえ。
    と、ここで本題から離れますが、面白い事が分かります。それは、周期が同じ正弦関数と余弦関数を足し合わせても基本的に正弦/余弦関数にしかならない、って事ですね。では周期/振幅共に色々変えた正弦/余弦関数同士を足し合わせてみればどうなるだろうか?数学を知らなくてもそう言う実験を簡単に行えるのがMaximaの強みです。是非とも色々実験してみて下さい。そしてその実験の延長線上に、大学の工学部で学ぶフーリエ解析が存在しているのです。

    註:実はこの辺りが、例えば楽器のデジタルシンセサイザーの音声合成や、エフェクターの一種であるデジタルイコライザーの原理に密接に関係しています。お家のCDコンポの音響がどうして綺麗なのか、その背景の一端に三角関数が関わっているのです。

    取りあえずここで本題に戻ると、は普通の正弦/余弦関数のような周期関数である、と言う事。そして最大値、最小値が存在している、と言う事が分かります。
    では最小値が何になるのか、探すのが次の課題です。


  2. Maximaで微分を実行してみる。

    さて、ゆいゆいさんが現役の高校2年生だとしたら、恐らく微分自体はまだ習っていないでしょう。これは多分2学期辺りから習うんじゃないか、と思います(現状の高校数学のスケジュールは良く知りませんが)。また、文系の高校3年生でしたらもはや新しい数学のネタはなくって、多分数学の授業では受験の為に問題集をひたすら解く、と言うようなルーティンワークに入ってるんじゃないか、と思います。
    いずれにせよ、微分の基礎的なポイントをここで軽くまとめて紹介しておきたい、と思います。

    1. xの関数をxで微分して得られた関数のxに於ける傾きである。

    2. を満たすx軸上の点pでははpを含むある小さい範囲内での最大値、ないしは最小値を取る。その範囲内での最大値を極大値と呼び、その範囲内での最小値を極小値と呼ぶ。ただし、xが取りうるあらゆる範囲では極大値uの最大値で極小値uの最小値である。あくまで極大値、極小値はある小さい範囲内での最大/最小の話である事を忘れない事。

    3. xのあらゆる範囲でが成り立ってる場合、極大値/極小値は存在しない。

    こんなカンジかな?まあ、数学的には不正確なんですが(笑)、端折ってコンパクトに纏める以上このようにしか書き様がありませんでした。自分で纏めて書くのって大変なんですよ(笑)。
    余談ですが、どうして教科書の表現が分かりづらいか、と言うと、他から引用してきてるから、ですよね(笑)。その元ネタの本が分かりづらい表現をしてるから、です(笑)。自分で考えて自分で咀嚼して自分で全て書いてるワケじゃないんですよ。そしてその難しい元ネタの本もまた何かを参照してて・・・・・・と言う冗談のような連鎖があるんです。んで、大本辿っていけば大体海外の本だったりするんですね(笑)。おかしいでしょ(笑)?日本語じゃない本から直訳したままで連鎖で来てるから教科書ではとても日本語とは思えない表現を度々目にする事が出来ます。タカアンドトシなら何て言うのか大変興味がありますね(笑)。
    さて、1.は微分の具体的な計算法はさておき、『そう言うモンだ』って覚えておいて下さい。乱暴な言い方をすれば微分とは関数の傾きの事だ、と捉えていても構わないでしょう。まずこれが前提です。
    今回絡むのは2.です。要するにのある小さい範囲での極小値はいくらか?って事で、を微分してそれが0になる条件を探せばイイ、って事です。ただし、2.は少々不正確で、ある小さい範囲とは言ってもどう言う小ささなのか?とツッコミ処が満載です(笑)。ハッキリ言っちゃうとかなり怪しい事書きましたね(笑)。ただし、通常、例えばテストなんかではその小さい範囲が明快に提示されているんで、実用上はあまり問題は無いでしょう。神経質になるべきなのは最先端の研究に携わってる人達だけなんで、こっちは知った事か、と(笑)。また、今回の問題は周期関数である三角関数絡みなんで、範囲は設定しやすいのです。何故なら問題のはバカみたいに最大値と最小値を行ったり来たりしてますし、その故にグラフを描いて概要を掴もう、としたのです。まあ、この辺りは正確には微分の教科書でも読んだ方がイイ、って事で棚上げにしときます。
    3.はぶっちゃけ例外ですね。今回は直接関係ありません。

    では、まずはを微分してみましょうか。まあ、ハッキリ言うと三角関数の微分に手馴れていればこんな質問送ってくるワケはありませんし、故に三角関数の微分法を知らない、と言う事でしょう。そこで手計算は避けて、これもMaximaでやってみます。
    微分/積分の属するジャンルをCalculus(解析)と呼びます。Maximaの上部のプルダウンメニューにそう言う項目がありますね。

    さて、中にDefferentiateと言う項目があります。これが英語で言う微分と言う意味です。これをマウスで選びます。



    Differentiateと言うポップアップが出てきましたね。Expression:(数式)には微分したい数式を、in variable:には微分に使う変数を記入します。次のように入力してみて下さい。


    ここまで記入して[OK]ボタンを押します。


    はい。答えが出てきました。を微分したらになるようです。一丁上がり、ですね。
    ではを解いてみましょう。






  3. ここでと言う意味です。つまりの時は極大値か極小値のいずれかを取るんです。
    ・・・・・・とここまで来てちょっと不思議に思うかもしれません。いずれかと言う事は今はまだどっちなのかハッキリしていないんですね。
    ここでの性質に付いてちょっと考えてみます。と言うのも、通常ってのはの範囲で定義されているんです。論より証拠。まずはのグラフをMaximaででも描いてみて下さい。



    註:Maximaでののコマンドはatan(x)と打ちます。

    上のグラフを見れば分かりますが、の値はどんな値でも取りえますが、の上限値、下限値ってのは決まってるんですね。もっと言うと、例えばの値が大きくなればなるほどの値はへ近づいていきます。決してになる事はありませんがね。そして反対方向にも同じ事が言えます。
    ところで、どうしてと言う書き方をしたのか、と言うと、s-t平面に於いてって関係があるから、ですよね。

    と書けばいかめしく見えますが、事実上これは単なる角度です。そしてと言う制約が示す事はであるのなら、ないしはの二つのパターンが存在する、って事なんです。つまり、上の単位円を鑑みる限り、極大値、ないしは極小値を示す角度



    とたくさん存在するんですね。言い方変えればに180度づつ足していったモノが全て候補になりえます。
    しかしながらしらみつぶしに全部検証していってもムダだ、って事が分かるでしょう。なんせ円なんでグルグルグルグル同じトコ回って指し示してる値は同じモノです。単位円上の点は安藤美姫ちゃんと違って大バカなんですよ(笑)。
    検証に必要となる値はの範囲ではたった2つしかありません。





    この2つのうちどっちかが極大値を導き、どっちかが極小値を導きます。では実際にMaximaを使ってに上記のの値をブチ込んでみて調べてみましょう。



    註:Maxima上ではのような特殊な定数は%piと言うように表現する。また、Maxima上で数式を単純に計算するには下にあるINPUT:に入力する。


    はい。出てきましたね。の時に極小値(と言うか事実上最小値ですが)を取るようです。


以上により、




と言うのが求める範囲となります。

以上です。



と昨日ここまで書いたんですが、UnderBird氏の解と食い違ってたんですね。

『あれ・・・・・・?』
と思ったんですが後の祭りです。
基本的な法則性ですが、僕の解と他の人の解が食い違った場合、大体僕の方が間違っています(爆)。あら。何間違えたんだろ・・・・・・?
原因探してたんですが、分かりました。僕の解の場合、当初自分で設定した<3580>を満たしてなかったんです。この質問の場合、を定数として計算しちゃダメなんです。全くつまらないミスをしでかしたモノです。畜生。 検算しておくべきだった(とか昔っからテスト返って来てから後悔してました・笑)。
UnderBird氏の解き方は非常にスマートだと思います。微積分使ってないですし、アレが一番キレイな解き方だと僕も思います。さすが数学が出来る人は違いますね。参りました。
とは言っても感心してばっかりでもしょーがないんで、僕もリベンジしてみます。こうなったら解析にこだわりまくって同じ解を導き出す事にしましょう(笑)。もはやヤケクソです(笑)。
ハッキリ言えば、『キレイ/キレイじゃない』と言う意味ではUnderBird氏の解法以上のモノは得られそうに無い事は明らかですし、あくまで微積分の練習代わりに興味がある人は別解として捉えて下さい。そして、当初は微積をあまり知らない人向けに、と言うスタンスでいたんですが、もはや初心者おいてきぼりにします(笑)。暴走です(笑)。彼女は呆れて泣いてます(爆)。

さて、同じようにスタートポイントは次とします。

・・・・・・①

僕がミスった最初のポイントはを定数として計算した事です。しかしながら実際は次の条件があります。

・・・・・・②

コレ見ても初見ピンと来ないかもしれませんが、要するに自体がの関数だ、と言う事です。<3580>の最後にキチンと書いてたハズなんですが、すっかり忘れてたんですね(笑)。しょーがねえなあ(苦笑)。
そこで①から次の関数Qを定義します。



これの丸ごとの振る舞いを調べればイイ、って事になるんですが・・・・・・現時点②を使ってを計算する事も可能なんですが、メンド臭そうです。そこで、合成関数の微分法を利用してQをそのままに付いて微分します。なおは未定のまま、とします。また、Qの微分をと表記し、の微分をと表記します。

・・・・・・③

まずこのが0になる条件を探せばイイのです。・・・・が、の値もの具体的な値も求めてないんで、に対して何にも言いようが無いですね。そこで②に着目します。②は実は次のような関数です。



このもついでに微分してみましょう。

・・・・・・④

この③、④が同時に0になればイイのです。よってこの③、④を並べて書けば、




となります。そして行列使ってカッコつけて書くと以下の様になるんですね。


・・・・・・⑤

さて、上の連立方程式を解けばイイ、って話になるんですが、ここで気がつくのが、と言うベクトルは0ベクトルには決してならない、と言う事です。と言うのも、<3580>で見たように、と言う条件がある以上なのです。従って、にせよ原始関数であるだけは絶対0になりようが無いのです。
つまり、⑤が自明じゃない解を持つ為には



が逆行列を持たない、と言うのが条件となります。従って、行列式より




加法定理を上手く使って纏めると、




となります。だとピックアップすべき極値を満たすの二つですが、<3580>で見たようには第一象限、第三象限の二つにしか存在しないので、範囲はもっと狭められて




での増減を調べれば全てが終了します。

  1. での増減表










    0













    -

    0

    +



    Q





    4











    16







  2. での増減表























    +

    0

    -



    Q





    -4







    0







    0



よってとなります。

いやいや、失礼いたしました。




質問<3580>2007/7/22from=どっと「指数・対数の問題」

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