質問<3570>2007/6/25from=みのる「積分」
- を求めよ。
- を求めよ。
ご指導願います。
いや、このテの問題ってのは困るんですよ(笑)。
僕だけが困ってるんじゃなくって、多分他の人も困ってるんじゃないでしょうか(笑)?
ちょっとその話を(既に何度か書いているんですが)敢えてもう一回書きます。
単純に言うと、こう言う問題は算数なんですね。単なる計算問題です。
そして、極限値の厳密な理解自体が非常に難しいのはその通りなんですが、一方、手順さえ教えてしまえが、概念的な理解はともかくとして、小学生でも計算できるんです。いや、これマジな話です(笑)。
微分積分は概念自体は難しくても、実際の計算は『暗記しろ!!!』って言っちゃえば四則演算覚えたての小学生でも出来てしまいます。
と言うわけで、僕なんかは数学不得手ですが、他の数学が得意な回答者も食指が動かないのがこう言う計算問題の特徴なんです。
加えてフォーカスが至極難しいんですよ。回答側の立場から言うと、ですね。
平たく言ってしまうと、微分/積分の教科書には公式が書かれていますので、それを参照しつつ解けば難なく解けるんですよ。大体のケースでは。
恐らく、この問題の場合、『極限値の抽象的な概念が分からない』と言うようなモノでは当然無くって、どちらかと言うと計算過程が問題になってるような気がします。しかしそれにしても教科書通りなんです。つまり、公式を暗記していて適用さえ間違えなければ解けてしまう。出題者側から見ても特に工夫があるワケではないでしょう。
例えばですね。
質問: 20÷5はいくらでしょう?
教えて下さい。
とか訊かれても困るでしょう?いや、全然バカにしているワケじゃないんですよ。誤解なきよう。ただし、コチラ側の『戸惑い』ってのはまさに上のような質問を訊かれたようなカンジなのです。
これがですね、仮に
質問: みのるくんは直線距離20kmを5時間かけて歩きました。移動速度はいくらでしょう?
教えて下さい。
だったら回答がしようがあるんです。両者共に最終段階では計算が関わってるのは事実ですが、後者の場合は考え方の筋道がまだ記述しようがある、からです。前者にはそれが無いんです。お分かりでしょうか?
要するに、質問された計算問題が『解けない』と言うのなら、単に可能性の問題としては
- 教科書の勉強が足りない
- 必要な公式をいまだ学んでいない
- 背伸びして難しい練習問題にトライしている
とまあ、こう言う質問のケースをたびたび見かけるんですが、僕の対応は、いつも同じです。こう言う場合はフリーの計算ソフトMaximaを利用して解を提示しちゃうのが一番、です。むしろ解を見て
『どうしてこうなるんだ?』
と悩んでくれた方がありがたいのです。特に、積分の場合は逆算の微分がありますので、それでチェックする事が可能でしょう。与式の解を微分して与式を得られなかったら、単にいまだ『微分公式』や手順の知識が足りない、と言う事です。やはり教科書に戻って積分ではなく微分からやり直した方がベストだ、と言う判断になります。また、微分が出来ても積分が出来ない、のなら、単にテクニックの話になるんで、それなら回答のフォーカスはもっと具体的になり易しくなるでしょう。
まずは使用パソコンがWindowsと言う事を仮定して、ココをクリックしてMaximaをダウンロードして下さい(お金はかからないので安心して下さい)。
ダウンロードが終了すればデスクトップ上に次のようなアイコンが作成されているハズです。
このアイコンをダブルクリックするとMaximaが起動します。
Did you know...と書かれたTips(ヒント)ポップアップも一緒に出てきますが、閉じちゃって構いません。
註:もしだったら、左下にあるShow tips at startupのチェックボックスのチェックをハズして閉じて下さい。そうすれば次回起動時にはこのポップアップは現れなくなります。
さて、以前にもMaximaは紹介していたんですが、あれから随分経ちまして、Maximaのインターフェースもかなり改善されています。そこで最新版の使い方で記述します。
ところで、Maximaはまだまだ日本ではメジャーなソフトではないようなんですが、既に海外、特にアメリカの大学の理系の学生には便利ツールとして普及しているそうなんで、ここで使い方を覚えていて絶対損は無いでしょう。逆に言うと、単なる計算問題だったらMaximaで解いた方が早いのです。また、これさえ使えないで『教えて下さい』と言うだけの学生はそもそも忌避されるべき教えて君だと思っています。あらゆる意味で向上性が無いタイプでしょう。
Maximaの上部には色々なモノが英語で書かれているんですが、今回の目標はズバリCalculusと書かれたプルダウンメニューです。Calculusとは英語では解析にあたる単語で、微分・積分はこのジャンルに含まれます。
Calculusのプルダウンメニューを開くと色々な単語がありますが、今回の目的は積分です。積分は英語でintegrateと呼び、それはメニューの一番上にありますね。これを選びます。
上の写真のようにintegrate(積分)ポップアップが出てきました。
ちょっと項目を解説しましょう。
- integrate: ここに積分したい被積分関数を記入する。
- by variable: ここで積分する変数を指定する。
- Definite integration: 定積分の場合、ここにチェックを入れる。今回は不定積分なので無視。なお、Defineと言う単語は定めると言う意味があり、その為、不定積分=Indefinite integration、定積分=Definite integration、と言う言い回しになる。
integrate:の項目にはを入力します。variable:はxなんでそのままでイイですよね?
以上を入力して[OK]ボタンを押します。
はい。答えが出てきましたね。解は
となるようです。
同じような手順で②の方もやってみて下さい。
もう一度言いますが、むしろ大事なのはMaximaで出した解を微分できるかどうかの方です。是非とも微分して元の関数に戻してみて下さい。そしてこれは宿題です。
微分は出来たけど積分が出来ない、と言う時、改めて相談に乗りましょう。
数式処理システムMaximaで楽をしよう
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